敦賀港は、日本海有数の天然の良港であり、奈良時代から三大要津の一つに数えられ、わが国とアジア大陸を結ぶ交易拠点として、また、江戸時代中期以降は北前船の中継基地として栄えてきました。さらに、日本海側港湾として阪神・中京の二大経済圏に最も近いという地理的特性を活かし、物流拠点港としての重要な役割を果たしています。対岸諸国との国際貿易やフェリー・RORO船航路を活用した物流の活発化により、日本海側で第二位の取扱量を誇っています。
明治時代にはロシア、朝鮮との間に定期航路が開設され、日本海側の玄関口として、重要な役割を果たしてきました。現在も韓国、中国をはじめ東南アジアとの貿易がさかんに行われています。
取扱貨物は、石炭、木材、コンテナ貨物等を扱っています。国内貨物の約9割がフェリー・RORO貨物となっています。
敦賀港は古くから栄えた敦賀港発祥の地「本港地区」と、昭和52年の港湾計画改訂により物流機能の拡充のため、新たに鞠山地区に展開した「新港地区」とに分かれます。
既に金ヶ崎縁地や臨港トンネル、水深7.5m岸壁の整備を完了した本港地区では、誰もが港や海に親しめる空間づくり、安全で健全な海洋性レクリエーション活動の場の整備を行っています。
また、新港地区の背後には、石炭火力発電所やセメント工場が立地しており、大型船舶が頻繁に入港しています。
この地区には、水深12m、8mの公共岸壁、水深14m、10mの専用岸壁、そして北海道苫小牧港・秋田港・新潟港との大型フェリーに対応するためのフェリー岸壁が供用されています。さらに物流機能を強化するため、コンテナ貨物などの増大に対応する多目的国際ターミナルや鞠山防波堤などの整備に取り組んでいます。多目的国際ターミナルは、海上物流のニーズに応え、福井県のみならず、広く背後圏の貨物を取り扱うため、大水深岸壁(-14m)を有しています。また、隣接する用地も約25haの面積を誇り、日本海側で最大級のターミナルです。
輸送に関しては、市街地を通らずに国道8号線バイパス、高速道路に5分でアクセスができ、流通センターや港湾利用企業を誘致し、日本海側の物流拠点となります。
敦賀港は、釜山港をハブ港とし中国・東南アジアの主要港に輸出入をすることができます。
このターミナルが、日本海を介して台頭するアジア諸国との貿易をより一層活性化させ、敦賀港が国際物流拠点港として更なる発展をとげることが期待されます。
今後も港湾施設の整備とともに新航路の開設、流通関連企業の誘致を図り、さらなる発展を目指します。
中央に「立石岬灯台」を配し、大陸へとつながる日本海の「水平線」と「波涛」を組み合わせ、英文頭文字「T」を表現しています。「波涛」は人々の「賑わい」や「交流」を包含し、港の限りない未来へと「発展」「躍進」する姿を象徴しています。
国内 百キロ圏内 |
福井県:勝山市・大野市・福井市・鯖江市(50K)・越前市(50K)・小浜市(50K) |
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滋賀県:長浜(46K)・米原(50K)・彦根(62K)・栗東IC | |
岐阜県:岐阜市(100K)・大垣市(83K) | |
京都市(98K)、名古屋(136K)、大阪(148K) | |
【輸送手段】 北陸自動車道・国道8号線・国道27号線・近畿敦賀自動車道・JR北陸線・JR敦賀港線・苫小牧―敦賀 フェリー・RORO船 |
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対岸港湾 | ロシア:ポストチヌイ(828K)ウラジオストク(945K) |
韓国:釜山(644K)東海(668K)蔚山(617K) | |
中国:上海(1494K)天津(1953K)大連(1600K) |